DL同人えっち漫画のページ数について【1作品としての満足度】

以前配信で質問を頂きました。

えろ漫画(成年向けDL同人)を描こうと思っていますが、ページ数をどれくらいにするかで悩んでいます。

これについて個人的な所感を述べます。
結論から・・・

目安として40P。
ただし重要なのはページ数ではなく、1作品としての満足度・読み応えがあるかどうか。
ページ数だけに留まらず、読者の要求レベル・作家の作品レベル自体がインフレしている。

商業誌等で活躍されていらっしゃる漫画家様方のイメージだと、単話20P~くらいがイメージしやすいページ数と思います。
しかし、現在FANZA等において売れ筋の作品を発表している作家陣の作品ページ数はインフレしてきています。
個人的には770円作品で40P~というイメージでしょうか。これはカラー、白黒共にです。CG集にも言えます。(もちろん白黒の方がページ数が多く価格が安い傾向にありますが)

ページ数がインフレ傾向にある大きな要素を2つあげてみます。

①単純にボリュームが少ないより多い方が好まれる(お得感)
作品の品質自体がインフレしてるので当然ボリュームもインフレ傾向に
②最低限の読み応えがあるかどうか、が求められている
これの目安が個人的に40P

よく私は売れる作品の特徴に「独自性」という言葉を用いますが、これを達成しようとするとどうしてもページ数が増えやすい傾向にあるのかなと思います。これを最低限の読み応えという言い方をしてもいいと思います。
もちろん単純にボリュームを出そうとした結果、作家独自のフレーバーにページ数を割けたという逆の道筋によって良い作品が完成した方もいるのではと思います。

えっちなシーンが多いかどうか、それが重要かどうかは完全に作家によると思いますが、どちらにせよ昨今の読者様方はサブカル作品を見る目が肥えてきており、同人作品にまで手を出す層においては、はっきりと自分の求めている作品像があることが多いです。(品質的にも、性癖・属性的にも)その要求レベルの高さは、サンプルの時点で一定の水準に達していないように見える作品の売上から明らかになっています。
そして昨今は、品質が高い作品でもボリュームがなければ「絵は好みだが、ボリュームが少なく読み応えは無い」といったレビューが付くことも散見され始めました。

私が目安としてあげる40ページというボリュームは、当然作品によって濃淡が違うので目安にしかなりませんが「週刊誌連載単話の2倍」というイメージでもあります。この辺りが1作品を購入した読者の読み応え期待値だと感じます。
これは具体的なデータを元にしたものではありませんが、作品のレビュー等を見ていて感じる私なりの感触です。当然1読者として感じる境界線でもあります。
同人作品なのでもちろん商業作品より圧倒的に価格は高いわけです。しかし作品が自分の好みっぽく見える(絵柄、属性、作家の過去作品等から)という点だけで読者はお金を出してくれることが多いです。
購入した上で作品を読んでくれるのですから、「思ったよりボリュームが少なかった」という感想を抱かれてしまうのははやり避けたいです。商業雑誌や単行本なら次の作品・次の話へ続くわけですが、同人作品として単話で売っていて20Pでは読み応えがない。
すごく楽しみにしていたジャンプの漫画の最新話、わくわくしながら読み始めて、でも16ページぽっち。あっという間に読み終わると思いませんか?

そもそも漫画として20P以内で読者に感情移入させて読後感もよかったと思えるようなものを描くこと自体が相当の難関です。これに加えてえっちシーンまで必須なのですから、流石に読み手を満足させるための最低限のページ数はある程度必要です。例えば一般読み切り漫画で20ページのものは少ない部類ですよね。その場合はストーリー重視でないギャグ漫画とか日常系漫画になりやすいです。

つまり40ページに縛られる必要はありませんが、1作品としての読み応えがあるボリュームを求められているということです。

ページ数で悩まれている方はどうぞ参考にしてみてください。
なお、単純にネームやストーリーで悩んでいる方も今回の話を元にどのくらいのスケールにしようかという参考になると思います。

ちなみに私はページを贅沢に使いたがりなのでページ数は多くなります。その代わり密度の薄いページも増えますが、密度の薄いページがあるくらいの方が読みやすいと個人的には思っています。電子販売はページ数が嵩んでも印刷費が増えないのでいいですね。


『昔はカッコよかった2』74P /『昔はカッコよかった』56P
昔はカッコよかったけど今では不登校のお姉ちゃん。姉と弟の少し切ない純愛えっちまんがとなっております。

最近は前後編みたいな感じで分けて作品を完結させることが多いです。
単純に百ページ超の作品を1度に描いて発表するのはモチベーションの維持がしんどいからです。
適度に発表して感想をいただきたいですし、前後編で2つにした方が価格帯とページ数の割合が釣り合いますしね。


『昔は可愛かった2』48P / 『昔は可愛かった』48P
他の家族が不在。晩飯をどうするかと妹に声をかけるが、そっけない返事。昔は可愛かったのにな――。兄と妹の少し切ない純愛えっちまんがとなっております。

画像にFANZAの作品ページへのリンクを貼っておきましたので、気になりましたらサンプルだけでも見てみてください。

1作品としての満足度という意味では、読者の期待する内容だったか、オチたか、というのも重要なファクターになってくると思います。
こちらの記事で話題にしています。参考にどうぞ。
編集者「この漫画で伝えたいことって?」【漫画のストーリー、オチについて】

以上、ページ数の話でした!